台湾で現地法人又は支店を作る形で進出を図るときに、法人側においては主に法人税(20%)、内部留保を行った場合の追加税金(5%)、営業税(5%)、そして日本本社へ支払いを行う利息(20%)、使用料(20%)、配当金(21%)にかかる源泉所得税などがあります。本格的に台湾に滞在に事業を行おうとすることとなると、別途台湾側においての個人所得税がかかることになります。上記各種税金についての節税策を、分かりやすく下記紹介させていただきます。
法人税
台湾にも、日本と同じく青色申告制度があるものの、適用認定を受けるのは極めて困難です。代わりに、台湾公認会計士が行う税務監査の実施が一番よく活用されています。
法人税確定申告書に前述の監査を受けさせたら、欠損金が発生すると、10年間繰り越し控除が受けられるほか、税務上で認められる接待交際費の限度額も上がり、税務調査リスクの低減に直接つながりますので、メリット大です。
ちなみに、台湾にも中間申告の制度があります。12月決算の会社さんは9月中に、3月決算の会社さんは12月中にて、前年度に納付した法人税額の半分をもって納付し申告しなければなりません。ただし、青色申告を適用し又は税務監査を受けたら、同年度の半期決算を行い納付すべき法人税を計算してから中間申告を行うことは可能です。
営業税
免税取引や輸出取引によるゼロ税率の適用制度などを活用すれば、税負担は相当軽減されるものとなります。日本の消費税と同様な仕入れ税額控除制度の活用もお忘れなく。
留保金課税(支店が対象外)
年度決算を行い、法人税を全額納付してからなお利益があった場合は、日本と同じく、こちらの未処分利益は翌年にて課税される形となります。
ただし、設備の購入など、実質的投資を行って、なおかつ関連書類を全て揃えたら、かかった代金の金額だけ、課税所得の一部又は全部は控除が受けられます。
源泉所得税
2017年から発効することになりました日台租税協定に定めのあった租税特典を運用すれば、日本に支払う利息、使用料及び配当金にかかる源泉税は、20%又は21%から10%へ低減する効果が得られます。
一方、台湾では控除が受けられるにもかかわらず、あえて控除の手続きをしない場合は、かかった20%又は21%の源泉税は、日本では最大10%しか還付を受けられません。こちらは忘れられやすい大事なポイントですね。
個人所得税
日本籍の方(労働許可を取得していない、日本と台湾を行ったり来たりする方も一緒)は、年間(1/1~12/31で計算)台湾での滞在日数が91日に達してしまいましたら、翌年の5月中に台湾で確定申告を行ったうえ、納税しなければなりません。
183日に達しておらず、居住者ではないので、申告不要なのではと、よく間違われていますが、実際のところ、滞在日数が183日に達し、台湾の居住者に該当した場合は、確定申告は勿論、かかる税金は超過累進税率を適用する形となります(最高40%)。ただ、91~182日間の申告対象者と比べたら、節税可能な免税額と控除額の適用はできるという、お得な一面もありますね。
一方、日本と台湾を行ったり来たりする方で、年間滞在日数がずっと91~182日の区間を超えず、所定の日数テストもクリアできた場合は、特別申請を経て、台湾に納付した対象年度の個人所得税を全額還付受けられるという、租税協定にあった特典も、節税対策の一環としてご活用いただけます。
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マサヒロでは、以上に言及のあった台湾の税金制度のほか、贈与税や相続税、不動産並びに株式投資で発生する所得/取引税等、ありとあらゆる台湾の税金についてのご相談を受け付けております。不要な税負担を発生させないよう、取引を実施する前に、適切な租税プラニングを提案させていただきますよう、一度マサヒロへご相談いただくことがおすすめです。
(※以上税金についてのご紹介は、2021年6月14日現在の制度に基づいて行ったものであり、本稿をご覧いただく時点で何か法改正がなされたことを想定し、気になる内容について予めマサヒロとご確認いただくことが推奨されます。)