2022年1月18日から、妊娠検査休暇、妊娠検査付添休暇・出産付添休暇が7日に!

2021年の後半から、情報が既に出回っている妊娠検査休暇、妊娠検査付添休暇・出産付添休暇が7日に引き上げられる法改正なんですが、果たして何時ごろ本格的に発効するかとの議論が絶ちません。

マサ君

国会(立法院)で三読可決されたのに、なぜ会社は7日間の休暇をくれないのか?

ヒロさん

1月12日に総統から公布されたから、7日の休暇を取ってもいいだろう?

という風な、社員からの質問が結構あったかと思います。

ただ、国会の三読可決や総統の公布は実際、こういった法改正が正式に発効するまでの通過点に過ぎず、発効日は、政府から別途指定された日になる、との仕組みがあまり理解されていないため、三読可決されたが発効日がまだな新規措置をもって、会社に主張する社員が少なくないようです。

今回共有させていただくマサヒロリーガルレポートは、三読可決され、総統公布の段階も経て、ついに18日に発効となった、女性社員が取得する妊娠検査休暇、男性社員が取得する妊娠検査付添休暇・出産付添休暇が7日に引き上げられた新規措置に関する詳細情報です。早速チェックしましょう!

休暇取得の範囲拡大と日数増の正体とは!?

2021年7月4日のマサヒロリーガルレポートにてご報告しました(7/4のレポートはこちら→(タイムマシン起動ボタン))、妊娠検査休暇が5日から7日に引き上げられる法改正に、肉付けがなされたうえ、1月18日に本格的にリリースされました。気になるポイントを以下紹介します。

  1. 女性社員が取得できる妊娠検査休暇が5日から7日に引き上げられました。
  2. 配偶者持ち男性社員が今まで取得できる出産付添休暇は、妊娠検査付添休暇・出産付添休暇へと範囲拡大されたとともに、取得可能日数も5日から7日に引き上げられました。
  3. 前述の休暇について、5日超の2日分の賃金は労工保険局に申請すれば、原則として全額補助金が出ます。
  4. 雇用者数30人未満の会社であっても、雇用主から同意をもらえたら、対象となる社員は、毎日の就業時間を1時間減らしたり、出退勤時間を調整したりすることができます。
  5. 配偶者が就業中であるかを問わず、社員は、一定の法的要件を満たしたら、育児休業又は家庭介護休暇を取得可能となりました。

妊娠検査付添休暇・出産付添休暇の実施における主な注意点

配偶者持ち男性社員が取得できる妊娠検査付添休暇・出産付添休暇については、前半の妊娠検査付添休暇の場合、配偶者が妊娠検査を行う必要があれば、休暇を取得できるとの大原則をもとに、妊娠期間においていつでも休暇を取得できるようにされており、後半の出産付添休暇の場合は、今までのルールを踏襲するイメージで、出産日前後7日(出産日を含め計15日間)の間に、休暇を取得しなければならないこととされています。(改正性別就業平等法施行細則第7条)

また、妊娠検査付添休暇・出産付添休暇の発動は、配偶者が行う妊娠検査と出産活動がトリッガーなので、休暇の取得単位を両方の休暇で統一しなければ意味がありません。

従って、男性社員が取得できる妊娠検査付添休暇・出産付添休暇も、女性社員が取得可能な妊娠検査休暇と同じく、一度に取得可能な最小単位を半日又は1時間にすることができることとなり、雇用主は、社員が決めた休暇取得の最小単位を拒否してはならない形とされています。

一方、初回が半日、二回目からは1時間、という風に、妊娠検査付添休暇・出産付添休暇の取得者は気の向くままに取得単位を変更できるわけではなく、一度決めたら変更できないという、雇用主への最低限のリスペクトとしてのルールも用意されています。(労働部2022年1月18日労働条4字第1110140008号解釈通達)

ちなみに、1時間を取得単位とする場合には、残業代計算の考え方と一緒で、1日を8時間とカウントし、7日は合計56時間との計算です。

通常な考え方だと、1日を最小単位とすれば、半日を取りたい場合は4時間、1日をフルで休みたければ8時間の休暇を会社に申請したらよいから、1時間ではなく、運用面において明らかに比較的不便な半日単位をあえて決める社員がいるでしょうかねと、何となく思ってしまいます。

2日分の政府補助金の受領方法とは?

女性社員が7日間の妊娠検査休暇、男性社員が7日間の妊娠検査付添休暇・出産付添休暇を取得し、かつ同休暇期間の賃金を会社が支払った後で、労働部労工保険局に対して、2日分の補助金の給付申請ができるようになります。

申請時に、保険局へ提出必要な書類に、対象社員自署付きの申請書(対象者が2名以上の場合、別途社員名簿と対象者の声明書を提出必要)、会社通帳の表紙の写しその他保険局が審査上の都合により提出を求める資料などがあります。申請が通ったら、翌月末に給付金が保険局から支払われる仕組みとなっています。(妊娠検査休暇、妊娠検査付添休暇・出産付添休暇賃金補助要点第6条、第7条)

本件補助金申請において1点気になるのは、当局が発表した本件の補助金制度においては、保険局は審査上の都合により、会社から提出を受けた資料の信憑性をチェックするために、調査官を申請を行った会社に向かわせることができ、会社はそれを拒否したり、妨害したりしてはならないとの規定が設けられています。(妊娠検査休暇、妊娠検査付添休暇・出産付添休暇賃金補助要点第8条)

こういった会社での実地調査のなかで、当局の調査官がさりげなく調査範囲外の事項を社員に質問したり、労基法上の不備をあらさがししたりすることも何となく考えられますので、事業主は、日ごろの労務コンプライアンスをしっかり整えてから、本件申請を実施するほうが望ましいかもしれません。

共働き夫婦が同時に育児休業手当を取得可能

18日から発効となった改正性別就業平等法にて、配偶者が専業主婦・主夫であったら育児休業を申請できない規定が改正され、配偶者が就業中であるかどうか関係なく、社員が法定要件さえ満たせば育児休業を申請できるようになりました。

そのため、17日以前の育児休業に提出を必要とされる配偶者の就業証明は提出不要となり、共働きの夫婦は同時に育児休業を取得し、育児休業手当を受けることが可能となりました。

育児休業の実施の取得におけるその他注意が必要な点に、10日前もって雇用主への書面による申請、申請書類に育児休業の期間や社会保険の継続参加要否等事項の記入、育児休業期間は少なくとも30日から、かつ2回が限度等の点があります。留意しておきましょう!(改正無給育児休業実施弁法第2条)

7日休暇措置に関するQ&A

社員が取れる休暇日数が増え、増えた分も会社の賃金負担にならない、いかにも労使WINWINな措置ではありますが、今までになかった新規ルールなので、運用時における不明な点はまだまだ多いと思われます。

そのため、労働部でのよくあるお問い合わせを以下共有させていただき、少しでも実務面における不安解消につながれたら幸いです。

男性社員が取得できる妊娠検査付添休暇・出産付添休暇は、それぞれ7日の休暇が取れるか、それとも両方合算して7日なのか?

7日を超えない範囲において、対象となる男性社員は自らの判断で、妊娠検査付添休暇と出産付添休暇に、それぞれの日数配分ができます。

男性社員が取得できる妊娠検査付添休暇・出産付添休暇に、取得可能な期間など設けられているか?

妊娠検査付添休暇は、配偶者の妊娠期間中取得可能で、出産付添休暇は、配偶者の出産日前後7日(出産日を含め計15日間)の間に取得可能です。

配偶者の出産日が2022年1月15日の男性社員が居て、彼が取得できる妊娠検査付添休暇・出産付添休暇は5日、それとも7日なのか?

改正法案は2022年1月18日から発効したため、妊娠検査付添休暇・出産付添休暇の法定取得可能期間に2022年1月18日以降の期間が含まれるなら、対象社員に7日の休暇を与えなければなりません。

例えば、配偶者の出産日が2022年1月15日のケースでは、男性社員が1月13日から5日の出産付添休暇を取得し、同月17日まで会社を休みました。

一方、ルール的には出産付添休暇は出産日前後7日の間で取得可能とされているので、15+7=22、つまり当該男性社員は原則として1月22日まで出産付添休暇を取得する権利が付与され、18日から発効した7日ルールの恩恵を受けることが可能です。

従って、17日まで既に5日の出産付添休暇を取得した当該男性社員に対して、会社は22日まで取得可能な2日の出産付添休暇を追加で付与してあげなければなりません。

妊娠検査付添休暇・出産付添休暇の取得に、会社へ提出必要な書類あるか?

対象となる男性社員から妊娠検査付添休暇・出産付添休暇の取得申請を受けた場合には、雇用主は必要に応じて証明書類の提出を求めることができます

法律上は証明書類の種類についての言及がなく、母子手帳や病院が発行する証明書、出生証明書等は原則として使用可能です。

対象となる男性社員へは、1月17日以前、既に5日超の妊娠検査付添休暇・出産付添休暇をあげたので、超過分は政府から補助金が出るのか?

補助金制度は2022年1月18日から有効なので、事業主が17日以前社員にあげた5日超の妊娠検査付添休暇・出産付添休暇は、補助金の給付対象外となります。

子どもが1人しかいない場合でも、夫婦が同時に育児休業を取得できるのか?

2022年1月18日から、配偶者が就業中であるかどうか、正当な理由のあるなしを問わず、育児休業の取得要件さえ満たせず、共働きの夫婦は同時に育児休業又は家庭介護休暇を取得可能であり、子どもが1人だけであっても、同じく本件措置を適用できます

Attention!

※本稿は2022年1月20日までの法規定をもとに作成したものであり、ご覧いただくタイミングによって、細かい規定に若干法改正がなされる可能性がございますので、予めご了承くださいませ。気になる点がおありでしたら、直接マサヒロへお問合せいただきますようお勧めいたします。

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