子持ちビジネスパーソンにご朗報!

台湾の行政院は、2021年7月1日(木)の討論を経て、「性別労働平等法」及び「就業保険法」の一部改正草案を通過させました。立法院(国会に相当)は行政院からの書面通知を受け取ってから審議を開始する運びとなっています。今回の改正内容は、主に子育て世帯の従業員への優遇措置にブースターを付けるようなもので、日本に見劣りしない少子高齢化の苦境に陥っている台湾を、政府の、”何とかしなければ”、との気持ちがくみ取れますね。では、主要な改正ポイントを見てみましょう!

妊娠検査休暇を5日から7日に引き上げ

政府が補助金を出してくれる、無料で受けられる出生前検査が、従前の10回から14回に増加したのに伴い、妊娠検査休暇が現行の5日から7日に引き上げられる、との法改正になります。従業員の方にとっては、本件改正はすごく歓迎されると思われますが、逆の立場にあった会社側では負担が重くなる形となってしまいます。少子化問題の解決には、事業者の協力なくして恐らく成り立ちませんが、大半の責任を事業者に押し付けるわけにはいかないとの気持ちの表れとして、5日超の休暇については政府から手当が出るとの企業への支援策も一応設けられています。ただし、手当が出るまで会社が先に立替必要との点は要留意です。

(改正対象法案:性別労働平等法第15条)

勤務時間の減少/調整を、従業員数30人未満の会社に対しても申入可能

今までは、3才未満の子供を持つ従業員からの出勤時間の調整要請は、従業員数が30人以上の会社のみが対象となってきましたが、法改正後は、従業員数30人未満の会社に勤める従業員であっても、育児のため、出勤時間の減少又は調整を会社に申し入れることが可能となります。従業員が1~2名の会社に、対象者が出たら大変なのでは?との疑問が湧いてくるかもしれませんが、当該措置の適用要件に、「労使双方の同意」という必須条件もあったため、会社の通常業務に支障が出ないよう、対象従業員と話しながら最適な出勤時間を決めていきましょう。

(改正対象法案:性別労働平等法第19条)

育児休業及び家族介護休暇取得要件の緩和

原則として、配偶者が無職であった場合は、従業員は会社に対して、育児休業又は家族介護休暇を申請できないものです。ただし、1家庭内では、外では知る由もない事情がたくさんあるはずで、通常な考え方では通用しない独自な家庭内分業も全然あり得ます。そのため、家庭全般を切り盛りする配偶者のほうに、子育ての責任を押し付けてはいけないとの観点で、配偶者が無職であったとしても、育児休業及び家庭介護休暇が取得できる雰囲気が形成したわけです。

(改正対象法案:性別労働平等法第22条)

育児休業手当受領制限の解除

会社から育児休業を取得したら、所定の手続きを済ませると、最大6ヶ月連続で政府から育児休業手当を受領可能となります。ただし、公平を期するため、両親いずれかの一方のみ当該手当を受領できるルールとされてきました。上記「育児休業及び家族介護休暇取得要件の緩和」と連動する格好で、子供が生まれたら、両親ともに育児休業が取れて、かつ双方とも政府から育児休業手当がもらえるように、従業員の立場にとっては非常に嬉しい法改正が進行中です。これによって、少しでも台湾の少子化問題を改善できたらとの強い期待感が込められているでしょう。

(改正対象法案:就業保険法第19-2条)

以上のように、2021年7月1日(木)にて、行政院が方向づけた法改正の主な内容を一通り見てまいりました。ご留意いただきたいのは、現時点では新規ルールはまだ発効しておらず、立法院の三読可決や総統の公布といった所定スケジュールを経てから正式に発効するとの点ですね。詳しい内容について気軽にマサヒロまでお問い合わせお願い致します。

Attention!

※こちらの文章は2021年7月4日までの法規定をもとに作成したものであり、ご覧いただくタイミングによって、細かい規定に若干法改正がなされる可能性がございますので、予めご了承くださいませ。気になる点がおありでしたら、直接マサヒロへお問合せいただきますようお勧めいたします。

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