マサレポ夏休みスペシャル―「辛抱する木に金がなる」の巻

コロナウイルスにも苦手な夏本番に突入しています。サステナ的な暑さ対策は既に用意できましたか?

台湾の労務や税務、法律等、暑苦しいテーマを共有させていただいて参りましたマサレポなんですが、夏休みの到来に伴って、軽く涼が取れる番外編をやりたいと思います!

日本に居る間では、日常の買い物で付与される各種ポイントやキャッシュバック特典付きクレカは、何となく使いこなせていましたが、台湾へ来てから、言葉的な問題もあって、こういったポイントをいかに活用するかなかなか理解できずにいます、等の悩みを抱えている日本人の方は少なくございません。

台湾でのポイント制度やキャッシュバック特典付きクレカの仕組みを理解し、かつそれを効果的に使いこなすのに必要とされる手間を考えたら、仕事に励み、努力して給与やボーナスを増やすほうはよほど現実味があるのでは、とのご意見には全く持って賛同します。しかし、余暇時に、ゲーム感覚でキャッシュバックやポイントをさりげなく活用できたら、ストレスの発散につながるのみならず、話のネタにもなるし、それによって節約系YouTuberを目指すきっかけになる可能性も考えられましょう(笑)。

ポイントやキャッシュバック専門家又は節約系YouTuberとは程遠い、極ありふれた一サラリーマンとして、前述のポイントや、キャッシュバック特典付きクレカ、スマホ決済アプリの使い分けをどのように日常的に実践しているかを共有し、そこから個々人にとって遊び心をくすぶられる要素を見出すことができたらとの気持ちを込めて、今回の番外編をリリースさせていただきたいと思います。

健活しながらキャッシュバックー汗アプリ

健康やダイエット目的で、一日に歩いた歩数や消費カロリー、歩いた距離をスマホアプリで計測し、定期的に運動量をコントロールする方は少なくないでしょう。こういった計測作業をやりながら、キャッシュポイントがもらえたら一石二鳥だ!と考え、永豊銀行(バンクSinoPac)が開発した「汗水不白流(直訳すると、「流した汗を無駄にしない」、以下「汗アプリ」といいます)」を使うようにしました。

汗アプリは、iPhoneに内蔵された、歩数や消費カロリー等の情報を自動的に収集してくれる「ヘルスケア」アプリと連動可能であり、基本設定を済ませたら、そのまま放置していても機能するので、使用上は至ってシンプルです。ただ、キャッシュポイントをもらうには、ただ単に汗アプリをダウンロードし歩数と消費カロリーを計測するだけじゃ足りません。永豊銀行が発行する永豊SPORTカードというクレカで買い物を行い、なおかつ7,000カロリーを月間消費する、といった2つの要件を同時にクリアしなければならないルールとなっています。

月間消費カロリーが7,000未満の状態で、SPORTカードで買い物を行った場合、一切お得が取れないわけではなく、仕組み的には消費金額1%相当分のキャッシュポイントは付与されます。ですから、マサヒロのボスに扱き使われる等、特に忙しい時期においては、無理して7,000カロリーを消費しようとせず、何もないよりましだ!との気持ちで1%を甘受しています。

一方、月間7,000カロリーの消費目標を達成しての買い物は、もらえるキャッシュポイントが3%に増えるほか、SPORTカードに紐付けしたApple PayやGoogle Payで決済すれば、キャッシュポイントは驚異的な8%にエスカレートします。こんな還元率を目の当たりにすれば、月間7,000カロリーの消費を頑張ってみよう!と努力したい気持ちがおのずと湧いてきませんか?(笑)。

月間7,000カロリー、という決して手が届かない目標をクリアするために、会食や二次会の後、なるべくタクシーを利用せず、地下鉄と歩行との合わせ技で帰宅するようにしています。(終電が間に合う前提に)
(※3%と8%の特典にはそれぞれ利用限度額が設けられている点は要留意)

ガソリン補充の良き友―中油PAY

台北市ならともかく、台湾南部においては、車やバイクなしでは、顧客への営業訪問ところか会社通勤さえままなりません。そのため、ガソリンの補充時に、如何に台湾でNo.1のガソリンスタンド数を有するCPC(台湾中油)社からできるだけお得を取るか、との問題意識を長い間抱えていました。

これまで、一過性的なキャンペーンをたくさん利用してきましたが、時間が経つと、還元率が少しずつ減らされるにもかかわらず、利用するハードルが上がる一方なので、決済手段にはなかなか落ち着かない日々を過ごしてきました。ある日、CPCのガソリンスタンドに貼られたポスターに、「中国信託銀行の中油カードに紐付けた中油PAYで、○○○NTDの一括キャッシュバックと6.8%の還元率をゲットせよ!」、とのキャッチコピーが目に入った瞬間、心のなかを「これだ!」光線が走りました。間もなくして、「中油カードX中油PAY」は私が給油時の基本アクセサリーとなってしまいました。

前述のキャッチコピーに書いてあった6.8%のキャッシュバックをどうやって入手するかというと、中油PAYと紐付けた中油カードを使って、中油PAYでの「行動捷利卡」という決済機能を有するバーチャルプリペイドカードにチャージすれば、まず2~4%(毎週月曜日に3,000NTD以上チャージすれば4%、そうでなければ2%)をゲットできます。そして、チャージ済みの「行動捷利卡」で決済すれば、さらに最高2.8%のキャッシュバックがもらえ、合計6.8%のキャッシュバック効果が実現するわけです。

上記キャッシュバックとは別に、中油PAYで決済を行うたびに、アプリ内ではスクラッチカードが配布され、ガソリン商品券やCPCの売店で利用可能な割引券が当たるなど、嬉しいサプライズ要素も用意されています。

その他、客先訪問で発生するガソリン代は、今までは自社統一番号入りの統一発票をもって、マサヒロのボスに精算する形をとっており、統一番号情報をガソリンスタンドのスタッフに伝え、そして統一発票を発行してもらうのに少々時間がかかるほか、統一番号を伝え忘れたり、統一発票を紛失したりするリスクが伴います。

一方、予め中油PAYにチャージするやり方で決済を行えば、アプリ基本設定時に入力済みの統一番号情報が記載される電子式統一発票は自動的に指定したEメールへ送信されます。そうすると、統一番号の伝え忘れや統一発票の紛失リスクがなくなり、何時でもEメールからガソリン代の発票を拾いあげ、出張報告書をまとめることができる、という経費管理上の利点があります。

日常の買い物や自炊に欠かせないーPX PAY

退勤後も利用しやすい23時までの営業時間に加え、大体住宅街付近に出店し、台湾全体1,100を超える店舗数を有するPXマート(全聯福利中心)は、コロナ禍で拍車がかかった自炊ブームによって、手ごろな値段で新鮮な野菜や果物を入手できる欠かせない存在となっています。

以前、PXマートのレジを並んでいたとき、今日の曜日だと何カードを使ったら一番お得が取れるかを予めレジカウンターに置いてある一覧表をチェックし、お会計時に最適なカードを使用する、との対応方法を取っていましたが、一度に複数のカードを持参しての買い物は正直大変不便でした。ところで、PXマート専用のPX PAYがリリースされてから、お会計の風景が一変してしまいました。

PX PAYでお得が取れるやり方は、中油PAYと似たり寄ったりで、PX PAYに紐付けできるクレカで予め同アプリにチャージすることで、まず2~12%(クレカの発行元によって還元率がだいぶ違う点が特徴!)のキャッシュバック効果が得られ、そして100NTDの買い物に付き、割引に使用可能な3ポイントが付与されるなど(ポイント倍増キャンベーンは不定期に行われます)、少なくとも2重のお得が取れる仕組み設定とされています。

また、PXマートが不定期に実施する、一定のポイントシールを貯めれば、有名ブランドの調理器具と交換できるキャンペーンについて、買い物するたびに店員さんから渡されるシールは紛失しやすいのみならず、本格的にシールを集めようと思ったら、キャンペーンがいつの間にか終了してしまう、といった個人的にはすごく残念に思う点があります。

一方、PX PAYの進化によって、店から交付を受けたポイントシールはデジタルデータとして自動的にアプリ内に保存され、“シール”そのものをもらう必要がなくなるほか、同アプリでシールをチェックしたら、キャンペーン期間も一目瞭然となり、狙う調理器具とすれ違ったりする残念なエピソードもなくなりました。消費者から不満な声を抽出し、それをアプリの改善に活用するPXマートの対応は実に評価すべきです!

統一発票の一元管理と賞金自動振込等嬉しい機能満載―政府発統一発票アプリ

買い物で店から受領する統一発票(台湾の公的インボイス)が当たるか、2ヶ月に1回チェック作業を行うのは、些細な楽しみとして学生時代から実践してきました。特別賞の1,000万NTDや一等賞の200万NTD等妄想レベルの大賞はさておき、200NTD又は1,000NTDが当たったらそれはそれで嬉しく思いましょう。

当たりはずれのチェック作業はサプライズ感が伴いますので、辛抱強く行うことができますが、そこそこの枚数が溜まったら、それはそれで一苦労は免れない作業です。

またもやある日、台湾の財政部が2019年にリリースしたアプリに、店からもらう統一発票を電子データとして保存したら、保存した分は、今までの通常賞に加え、100万NTD、2,000NTD、800NTD、500NTD等のクラウド賞が適用される、というおいしい情報が入り、すかさず同アプリをダウンロードし発票ををクラウドに保存し始めました。

本件発票アプリの利用を始めたごろには、自動的には発票の番号をチェックしてくれて、それが当たったら、本当に指定した銀行口座へ賞金が自動的に入金してくれるのかという、半信半疑の気持ちで数カ月間待っていたら、銀行から入金通知が届き、クラウド賞の500NTDが当たったとのことでした。さすが政府系アプリ、発票の関連作業はこれで安心して任せられますね!という確信のもと、できるだけ発票を同アプリに保存し、必要に応じて消費履歴をチェックしたりするようにしています。

上記主要機能のほか、うかつに統一発票をペーパーでもらったりする場合においても、発票アプリのスピーディーチェック(快速領獎)機能を利用し、電子式発票にあったQRコードをスキャンしたら、番号が当たるかを瞬時にチェックしてくれて、当たったら指定銀行へ入金してくれます。そうすると、わざわざ銀行やコンビニへ出向いて換金する手間が省け、不特定多数との接触によるコロナ感染リスクも全くなしなので、非常にありがたい機能です。要留意なのは、スピーディーチェックを利用可能な発票は電子式発票に限られ、よく見かけるレジ用統一発票は対象外である点です。

統一発票にまつわる情けない話しですが、1~2NTDのレジ袋を大量に購入したり、セルフガソリンスタンドで1NTDの給油を数十回ないし数百回繰り返したりして、一度に数多くの統一発票を不当に入手する手法が台湾のあちこちで行われ、マスメディアにも何回か大きく報じられていました。

それを看過できない台湾の財政部は、2021年の法改正で、正当な理由なく消費額の低い統一発票を短期間で大量に取得し、かつ賞金が当たった発票が一定の枚数に達したとき、賞金を支払わないとするうえ、銀行やコンビニ側ではそれに気付かずうっかりと賞金を支払った場合、当局は事後において賞金を受領者から取り立てることができる、とのインチキ防止措置を作って、2022年から施行させました(統一発票給奨弁法第15条)。私的には、1NTDの発票を大量に入手する暇があったら、一生懸命仕事に没入して労働対価を受領するほうがよほど効率良いのではと思ったりしています。

最後に、台湾の税金にまつわるエピソードを一つ

50枚前後のクレカの使い分けや、その他もろもろ電子決済アプリについても紹介しようと考えていましたが、それ以上書くと相当な長文となってしまう恐れがあるため、次回の番外編に取っておきたいと思います。

では、本マサレポの最後に、日常的に出くわす台湾の税金にまつわるエピソードを共有させていただきましょう。

ある日、食事の後、レジで勘定をしようとしたとき、担当の店員さんから聞かれました。

店員さん

当店ではクレカ決済も可能ですが、現金でお支払いいただけたら、ご利用額から2%を割引致しますが、いかがでしょう?

そのとき、ちょうど還元率2%のクレカを持参しているから、どちらの決済方法を選択しても2%のお得が一緒なので、どうすべきかしばらく熟考しましたら...

マサ君

クレカ決済でお願いします!

と答えてしまいました。

クレカ決済を決定するに至った考え方は以下です。

100 NTDの統一発票をもらえば、会計上は100NTDの経費で落とせます。
クレカは2%還元なので、カード会社へは98NTDを支払えば十分。

その場で2%の割引が得られる現金支払いの案と比べたら、98NTDのキャッシュアウトは一緒ですが、クレカ決済の案で2NTDの経費を多めに計上でき、法人税的には0.4NTD(2×20%)の節税効果が生まれるため、税負担の観点でクレカ決済に軍配が上がるわけです。

ちなみに、クレカのキャッシュバック特典は、台湾税務上は所得ではなく、「商品代金の値引き」との扱いなので、カード会社から受けとる2%の優待は原則として課税されません。しかも、前述の汗アプリもしかり、3%以上のキャッシュバック特典が付与されるクレカはほかにも一杯あるから、レストランからこういった選択肢の提供を受けても、割引のパーセンテージをもう少しあげてもらわないと、私はこれからも躊躇なくクレカ決済を選択していくのでしょう。

以上、サラリーマンのド庶民節約術でした。(笑)

ATTENTION!

※本マサレポは2022年7月5日までの個人経験をもとに作成したものであり、ご覧いただくタイミングによって、紹介したアプリが大幅アップデートされたり、キャンペーンの実施期間が終了したりする可能性は十分あり得ますので、予めご了承くださいませ。気になる点がおありでしたら、何時でも気軽にマサヒロとご交流くださいませ。

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