【マサヒロ起業支援コラム】台湾での起業形態を教えてください!

おっす、マサヒロです!

日本人の方で、台湾にて一切の在留資格、例えば家族滞在ビザを有しておらず、日本でも法人を持たない、全くゼロからスタートの状態でしたら、じゃ、台湾での起業形態は、「法人を作る」ことに他ならないと考えられます。(既に出来上がっている会社さんへの資本参加もありですが、純然たる起業とはやや意味的には違いなので、別稿にて取り扱います)

まず法人の種類を決めましょう!

法人と言えば、日本にもありました株式会社(中国語:股份有限公司)か、有限会社(中国語:有限公司)との二択が一番主流です。前者を作るには、株主は最低二人必要で、かつ取締役会の構成メンバーも揃わなければならないから、IPOや新規株主の呼び込みを特に視野に入れなければ、有限会社を選択するのが無難でしょう。

資本金はどれぐらい?

法人形態が決まれば、次の問題点は出資額の決定となります。よほど資金が潤沢な起業者を除き、初期コストをなるべく抑えるのが筋となりますが、じゃ、果たしてどれぐらいの金額設定が妥当なのかと言いますと、台湾では最低出資額の制限がないので、これといったレンジは存在しません。一番オーソドックスな考え方は、会社設立してから1年か2年間のランニングコスト、例えば従業員への給与、オフィス賃料、電話代水道光熱費、事業展開に必要とされる固定資産の購入資金、専門家へのコンサル料(マサヒロ等(笑))等の見積合計額をもって、出資額を設定したりすることです。機械設備等、初期的資本投資を比較的必要とされる製造業から、ほとんど設備なしで一人で完結できるアフィリエイト事業まで、台湾で展開しようとする事業の種類によって、必要とされる資本金額に相当な開きがあったので、身の丈に見合う形で検討を進めたら良いと思います。留意してほしいのは、台湾居留ビザを取得予定の起業家でしたら、原則として最低50万台湾ドルを下らない額を設定必要との条件を記憶の片隅に置いてください。(原則ではなく、例外状況の詳細を知りたい起業家は別途マサヒロへお問い合わせ願います)

事業制限もある!?

そうそう、忘れてはいけないのは、台湾ではネガティブリストという、日本にもある外資制限(外国人株式保有制限)と類似する、外国人がやってはいけない業種制限が設けられています。例えばラジオ放送業、公共バス事業、特殊娯楽業等は絶対NGであり、稲作や野菜の栽培業、牛豚や鶏の飼育業、電力供給業、一部の電信事業は台湾の主務機関から特別許可を取得したら実施可能、という風な制限付き事業もあります。(ぶっちゃけな話、よほどな大義名分がない限りほとんど取得できないですが...)起業準備が全部整え、法定手続も行ったのに、こちらの外資制限に抵触することによって、設立申請が当局に一蹴されたらすごくもったいないので、起業前に、きちんと専門家と相談なさることを強くお勧めします。

他国のパートナーと仕入販売がしたいけど...

もし国際貿易事業、例えば物品の輸出入売買を行おうとしましたら、法人を作ってから自動的に通関申告ができる資格を入手するわけではなく、所定資料をもって輸出入活動を管轄する国際貿易局に対して、「輸出入事業者(中国語:出進口廠商)」の登録を行わなければなりません。登録できたら、政府の公式サイトにて輸出入事業者の検索結果に、自社の情報が可視化されるものとなります。(下記TSMCの例を参考)

監査って必要なの?

比較的にハードルが高いのは、会社を作ってから法定監査がすぐ必要になるかどうかとの質問にぶつかります。公認会計士への監査料は結構多額であり、しかも起業早々で監査に対応できる体力があるはずもない、という風に考えたりもします。ただし、一定の基準に達した場合、例えば払込資本金額が3,000万台湾ドル以上、社員数が100名以上、年間での売上純額(売上戻りや値引きを差し引いた後のネット金額)が1億台湾ドルに到達した場合、及び銀行から3,000万台湾ドル以上の借入を行った場合は、決算書監査(又は財務諸表監査)が義務付けられてしまいます。こういった要件さえ把握できれば、ギリギリのラインで自社の規模をコントロールすることによって、法定監査の実施要求を回避できる形となります。資本金額が2,900万台湾ドルの会社さんは、大体そのような回避策を講じたのであろうと推測されます。決算書監査のほか、同じく監査の二本柱に属する「税務監査」の制度が設けられています。税金面の話しとの連動性が強いので、別途、起業に関する税金の話しを語る際に詳しく説明させていただきますので、ここ一旦割愛としましょう。

終わりに

語り始めたら切りがないぐらい、起業に関しまして、細かい点においてはとにかく情報量が膨大で、通常ケースを説明するだけでこれだけの文字量を必要とされるぐらいですから、記憶量の負担にならないような、個々人のご希望に応じての、等身大の説明やアドバイスを求めたりすることが望ましいでしょう。実務上、既にある程度理解したと勘違いして、自ら法人登記のチャレンジをしたものの、主務機関からまるで嫌がらせかのように、案件修正通知の連発を食らわした挙句、満身創痍になってようやく登記完了だと歓喜の声をあげようと思いきや、実際にやろうとする事業を登録忘れ、追加で登録したら、ネガティブリスト対象事業なので登録不許可か、別途ライセンス申請必要にもかかわらず、資本金要件が全然満たしていないといった悲劇を多く耳にしています。起業コンサルは通常一回限りの費用なので、将来の面倒を考え、事業開始前の段階から、是非是非専門家にご希望に特化した進め方をお尋ねなさってください。

以上、だらだらとたくさん書いてきましたが、最後、メリットデメリットを追加したうえ、分かりやすい起業形態の比較表を次のように共有させていただいてから、本稿を終わりにしたいと思います。これからも起業に関するご参考いただける情報を盛りだくさんシェア致しますので、お役に立てたら大変嬉しゅうございます。

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Attention!

※本稿は2021年6月22日までの法規定をもとに作成したものであり、ご覧いただくタイミングによって、細かい規定に若干法改正がなされる可能性がございますので、予めご了承くださいませ。気になる点がおありでしたら、直接マサヒロへお問合せいただきますようお勧めいたします。

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